【メンバーインタビューvol.1】NPO団体職員からフリーランス広報の道へ:仙台で叶える私らしい仕事のスタイル
自由な働き方や自分らしいキャリアを追い求める中で、フリーランスが一つの選択肢として浮かび上がりますよね。特に広報の仕事は、オンラインでの業務が進んでいるため、チャレンジしやすい分野です。
一方で、ライフイベントやキャリアの変化にどう向き合うかは、誰もが抱える大きなテーマでもあります。
今回は、そんな女性フリーランス広報にスポットを当てたインタビューシリーズ「フリーランス広報のライフストーリー」の第一弾として、おしえみきさんにお話を伺いました。
家族の状況に応じて仕事のボリュームを調整しながらも、興味のある分野への挑戦を続けている、おしえさんのキャリアストーリーをお届けします。
仙台×ママ×フリーランスのおしえさん
おしえ みき さん
岩手県出身・仙台市在住・40代
Xアカウント:https://x.com/mikioca0
大学卒業後、新卒でNPOに就職。道の駅、観光、食育、グリーン・ツーリズムなど幅広い分野でまちづくり・地方創生事業に携わる。出産を機に退職しフリーランスに転向。広報を軸に、地方課題の解決を目指すプロジェクトに参画。2児の母(小学生と年長)。趣味は旅行、映画、食、お酒。国内旅行47都道府県制覇まであと3県。
- 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 広報・マーケティング担当
- 株式会社フードコミュニケーション 企画広報マネージャー
- HAPPY ACTIVE WOMAN PROJECT 運営
- 東北広報アソシエイツ 運営メンバー
新卒入社で東北の街づくりや地方創生に取り組むNPOで事務局長として勤務。出張も多く、東北6県や全国を飛び回りエネルギッシュに働かれていたおしえさんが、どのようなきっかけでフリーランスを選ばれたのか、その経緯をお伺いしました。
NPOからフリーランスへ、やりがいと新たな挑戦
フリーランスになったきっかけを教えてください
新卒入社で東北の街づくりや地方創生に取り組むNPOに入社し、産休取得するまで事務局長として勤務していました。出張も多く、東北6県や全国を飛び回る中、忙しくもやりがいに満ちた仕事で、団体の主要なプロジェクトを任せてもらっていました。
当時はNPO団体で育休を取るメンバーがいなかったため、自分がロールモデルになりたいと思っていました。しかし同時に、育休明けに同じ働き方を続けることができるのかという不安も感じていました。そんな中、妊娠中に切迫早産で突然入院することになったんです。急に仕事を手放すことになり、そのまま産休・育休に入ることに。
その後、育休中に今後の働き方を考える中で時短勤務で事務局長を続けるのは難しいと思ったことや、私が不在の間でも組織がしっかりと回っていたことを目の当たりにし、「これは卒業のタイミングだ」と気づき退職を決意しました。
どのような業務からスタートしましたか?
知っている会社のお手伝いから始めて、最初はプロジェクトマネジメントやディレクションを行っていました。
第2子が生まれるギリギリまで働き、産後は半年以上自主的に「育休」を取りました。フリーランスとしての案件は、以前仕事をご一緒した方から声をかけていただき、会社の立ち上げ支援をする業務からスタートしました。
その後は、独立前に関わっていた方から単発でお声がけいただいていました。実績を作るために、クラウドワークスも活用し、補助金の申請書作成のサポートや企業の広報支援なども行っていました。
クラウドのお仕事マッチングサービスを利用したことで、「どういう仕事があるのか」「自分には何ができるのか」という視点も養えましたね。
仕事の獲得方法、広げ方のコツとは
現在はどのようにお仕事を獲得されていますか
ありがたいことに、副業レベルでスタートした仕事から、徐々にお任せいただく範囲が広がっていく、という案件が多いです。
現在支援している企業のひとつも、もともとは個人の料理家さんのサポートとして受けていましたが、その後、プロジェクトの支援に繋がり、今は会社の企画広報チームの一員として携わっています。チームとは仕事の枠を超えて支え合う仲間になりました。
よく、フリーランスの仕事獲得方法を聞かれますが、私は「目の前の案件にちゃんと丁寧に向き合う」ことを大切にしています。一つ一つの仕事で成果を出し、信用を得ることが、次につながると実感しています。
また、最近、仕事やイベントで利用する仙台市内のコワーキング施設の運営の方々から、ご相談を受ける機会が増えました。私の仕事に直接繋がらないこともありますが人脈が広がりますし、何より、地域のハブになる方々が相談したい時に思い浮かべてくださるのは嬉しいですね。
仕事量の調整の仕方はどう工夫されていますか?
子育てに少し余裕ができた時に仕事量を増やしましたが、今は子供との時間を優先するタイミングと考え、働く時間を減らしています。小学生の子供の不登校に向き合っていて、柔軟に対応できるよう、長いお付き合いのクライアントさんには単発案件に切り替えてもらいました。
クライアントさんとの信頼関係があれば柔軟に働き方を調整できるのも、フリーランスの良いところだと実感しています。
一方で本業を活かし、フリーランス協会(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会)のメンバーとしてコミュニティ活動の運営にも加わっており、協会の広報やSNSを担当しています。
これらの活動での経験はスキルアップになりますし、人脈が仕事に繋がることもあり、続けていきたいと思っています。
関心を追求する、フリーランスとしての自分の在り方
来年以降考えていること、挑戦したいことはありますか?
今は目の前のことに集中する時期だと思っていて、正直なところ来年以降のことは考えられていません(笑)。
ただ決めていることがあります。
時間や収入のボリュームにあまり左右されずに、「将来的にありたい姿」や自分の関心ある分野であれば挑戦することにしています。明確な道筋や目標を決めていない分、軸はぶらさず興味・関心を大切に、自然体で進んでいきたいと思っています。
おしえさんの『興味・関心』の領域を教えてください
いま一番関心があるのは街づくりです。地方を元気にしたい、盛り上げていきたいという気持ちを常に持っています。私自身も食や旅が好きなので、そうした分野でも繋がっています。
広報としても、地方こそ広報をもっと盛り上げていきたいと考えています。同じ志を持ったメンバーと出会い、「東北広報アソシエイツ」という有志団体を立ち上げ、宮城・仙台の広報ネットワークが広がってきました。
また、「働き方の発信」にも興味があります。
自分自身の経験として、新卒でNPOに就職したことやフリーランスとしての働き方を選んだことが背景にあります。フリーランス協会のメンバーとの出会いも大きいです。経験を積んだ後、少し絞っていく中で自分の柱ができたのだと思います。
自分流、フリーランスを長く続けるコツはなんでしょうか?
自分のモチベーションが何で上がるのかを知り、それを実践することだと思います。私の場合、時間に余裕がないことが苦手だということもわかりました。
平日はほぼワンオペ(育児)なので、時間がないと心の焦りが出て仕事も育児も上手くまわらなくなります。「ここからは超えちゃいけないな」というラインが独立後数年経ってわかってきました(笑)。
成長したい時期にはたくさん働くことも、状況に合わせてボリュームを調整することも、自分の理想的な働き方を築くことができるのがフリーランスの良さだと思います。
今は子どもと向き合う時間が多めですが、仕事と家族、それにコミュニティや社会課題解決などのプロジェクトに関わる余白を持つことが、私の理想的なバランスです。
目の前に面白そうなことが出てきた時にはすぐ飛び込めるような余白を持ちながら、今後も挑戦し続けたいと思っています。
最後にフリーランス広報の方にメッセージをお願いいたします
自分のキャリアを選択する時に大切なのは、どんな自分になりたいかを常に考えることだと思います。
「何をしているか」よりも「どんな自分でありたいか」を大切にして、進んでほしいです。
編集後記
NPOの事務局長としてのキャリアを経て、ライフステージに合わせフリーランスの選択。仕事の量より質や心の余裕を重視し、生活の中にやりがいを持った仕事を根付かせていることが印象的でしたね。おしえさんありがとうございました!